詳細は結構な長文になりそうなので、割愛させていただきますが、ちょっとしたきっかけで、「ナレッジアーツ 詐欺」という検索結果を目にしました。
検索結果には「詐欺?」「怪しい?」「稼げない実態」といった言葉が並んでいて、正直、穏やかではありません。
ところが、その記事をいくつか開いてみると、どれも「口コミによると」「〜と言われています」という書き方ばかりで、何がどう詐欺なのかが、読んでもよくわからないのです。
そこで僕は、なぜか、
- 株式会社ナレッジアーツはどういう会社なのか
- 株式会社ナレッジアーツの口コミや評判はどうなっているか
- 株式会社ナレッジアーツが運営するNext Art Collegeはどういうサービスなのか
- 株式会社ナレッジアーツは本当に詐欺なのか
を知りたくなったので、この記事を通じて、謄本(履歴事項全部証明書)まで確認して徹底調査した結果を共有したいと思います。
そもそも、どの「ナレッジアーツ」が対象?
会社を調べるとき、僕がいつも最初にやるのは、同じ名前の会社がいくつあるかの確認です。
同じ名前の会社が複数あると、別の会社の口コミや評判が混ざってしまうことがよくあるからです。
そこで、国税庁の法人番号公表サイトで「ナレッジアーツ」を検索してみると、見つかったのは1社だけでした。

- 法人番号:1010001216361
- 商号:株式会社ナレッジアーツ
- 所在地:東京都千代田区九段南1丁目5番6号りそな九段ビル5階KSフロア
というわけで、今回の調査対象は、東京都千代田区にある株式会社ナレッジアーツです。
同じ名前の会社が他にない、ということは、「ナレッジアーツ 口コミ」「ナレッジアーツ 評判」で検索して出てくる情報は、基本的にすべてこの会社についての情報ということになります。
裏を返すと、ネット上に「ナレッジアーツは詐欺」と書かれれば、それがそのままこの1社の評判になってしまう、ということでもあります。
株式会社ナレッジアーツの概要と詳細を謄本で確認してみる
株式会社ナレッジアーツの公式サイトの会社概要には、次の情報があります。
■会社名:株式会社ナレッジアーツ
■代表者:岡部遼太郎
■所在地:東京都千代田区九段南一丁目5番6号 りそな九段ビル5F KSフロア
■設立:令和3年3月3日
■資本金:150万円
これを、謄本(履歴事項全部証明書)と突き合わせてみました。

謄本の記載は次のとおりです。
■商号:株式会社ナレッジアーツ
■本店:東京都千代田区九段南一丁目5番6号りそな九段ビル5階KSフロア
■会社成立の年月日:令和3年3月3日
■資本金の額:金150万円
■代表取締役:岡部遼太郎
公式サイトの会社概要と、謄本の記載が完全に一致しています。
さらに、公式サイトの「特定商取引法に基づく表記」も確認しました。

事業者名、所在地、代表者、電話番号、メールアドレス、支払方法、解約方法、返品の条件まで書かれていて、所在地と代表者は、やはり謄本と同じです。
ネット上で商売をしている会社を調べていると、会社概要と特商法表記の住所が食い違っていたり、そもそも特商法表記がなかったり、ということは珍しくありません。
株式会社ナレッジアーツの場合は、謄本、公式サイト、特商法表記、国税庁の法人番号公表サイトの4つが、会社名・所在地・代表者で一致しています。
これが普通ですが。
ちなみに、ネット上の記事には、株式会社ナレッジアーツの所在地を「レンタルオフィスらしき住所」と書いているものがあります。
仮にそうだとしても、謄本の本店所在地として登記され、公式サイトと特商法表記に同じ住所がそのまま書かれている以上、隠れるための住所とは言えません。
むしろ、本店の住所を登記と同じ形で表に出しているわけですから、「連絡のつかない会社」とは真逆です。
※余談ですが、オフィスビルの1フロアを複数の会社で使う形は、設立して間もない会社ではよくある話で、それ自体を理由に怪しいと言い出したら、都心の会社のかなりの数が怪しいことになってしまいます。
株式会社ナレッジアーツの事業内容は?
公式サイトでは、株式会社ナレッジアーツは大人のためのオンライン絵画教室「Next Art College」を運営する会社として紹介されています。
謄本の「目的」の欄には、次のような事業が並んでいます(要約です)。
- 絵画教室の経営
- 絵画・美術品の企画、制作、販売
- 著作権等の管理・利用
- アートギャラリーの運営
- 講義・講演・研修・セミナーの企画運営
- アートに関する事業の企画・運営・集客・情報提供
- グッズの企画製造販売
- 出版物・印刷物の企画制作販売
- 通信販売業
- 前各号に附帯関連する一切の事業
絵画教室、作品の販売、展示、講座、通信販売と、アートに関わる仕事が一通り並んでいます。
実際にやっていること(オンライン絵画教室、受講生の展覧会、作品販売の講座)と、登記上の目的がきちんと噛み合っているわけです。
これも特段に変わったことではありません。
ただ、ひとつ面白いと思ったのは、「アートに関する事業の企画・運営・集客・情報提供」という一文です。
絵を「描く」だけでなく、「見てもらう」「買ってもらう」ところまでを事業の目的に入れている。
この点が、あとで触れる「詐欺と言われる理由」にもつながってくるので、覚えておいてください。
ちなみに、発行済株式は150株、株式の譲渡制限ありと、小さな会社としてはごく標準的な作りです。
株式会社ナレッジアーツはどういうサービスを運営している?
株式会社ナレッジアーツの公式サイトと、代表の岡部遼太郎さんのブログから、運営しているサービスを3つ確認できました。
Next Art College(ネクストアートカレッジ)
株式会社ナレッジアーツの中心となるサービスが、Next Art Collegeです。
岡部遼太郎さんのブログによれば、
- 絵を描く大人のための月額制オンライン絵画教室
- 令和8年9月時点で22講座・663本の授業
- 在籍中は追加料金なしで全講座を受講できる
- 毎週新しい授業を配信
- 定期的にZoomの生放送授業があり、質問箱から講師に直接質問できる
- 月額9,800円(税込)
- これまで延べ300名以上が受講
という内容です。
講座は、アクリル画、デッサン基礎、パステル画、テンペラ画、色彩、モチーフ描写、デジタルイラスト、Unreal Engine(3DCG)といった技法の講座に加えて、ホームページ制作・SEO、作品販売、個展・画廊展示、絵画教室の運営、動画編集・SNS発信といった「絵を仕事にするための講座」があります。
パステル画は国枝さん、テンペラ画は服部さん、CGとモチーフ描写はKAZUAKIさん、技法マスター講座と画廊展示は黒沼さん、デジタルイラストと絵画教室の運営は平郡さんと、分野ごとに専門の講師が担当しているのも特徴です。
ここでのポイントは、
- 月額制で、在籍中は追加料金がない
- 技法だけでなく、作品の発信と販売まで学べる
- 分野ごとに専門の講師がいる
です。
特に「月額制」という点は、調査の上で大事なポイントです。
後述しますが、ネット上の「詐欺」記事には「数万円から十数万円にも及ぶ有料プログラム」と書かれているのですが、公式の料金は月額9,800円(税込)で、特商法表記に書かれている追加の費用は、振込手数料やカード決済手数料といった支払い手数料だけです。
Magnel(マグネル)
Magnelは、株式会社ナレッジアーツが開発・運営している、作品の発信を支援するサービスです。
絵が描けるようになった受講生が、次に「発信」で止まってしまうことが多かったため、ホームページや販売ページの構築、記事と画像の作成、SNSの分析などを1つにまとめたそうです。
子供アート教室enico(エニコ)
2026年冬に、埼玉県所沢市で開校予定の子供向けのアート教室です。運営は株式会社ナレッジアーツです。
オンラインの大人向け教室から、対面の子供向け教室へ。謄本の目的にある「絵画教室の経営」を、そのまま広げている形です。
株式会社ナレッジアーツの評判は?口コミと「詐欺」疑惑を徹底調査しよう
さて、ここからが本題です。
「ナレッジアーツ 詐欺」「ナレッジアーツ 評判」で検索して出てくる記事を読んでみると、書かれている内容は、おおむね次のようなものです。
- 無料講座から高額な有料コースに誘導される
- 講座の内容が薄い
- 返金や問い合わせの対応が悪い
- 特商法の表示が分かりにくい
- 代表の実績や経歴が確認できない
- 所在地がレンタルオフィスらしい
ひとつずつ、公開されている情報と照らし合わせてみました。
「高額な有料コースに誘導される」について
先ほど書いたとおり、Next Art Collegeは月額9,800円(税込)です。在籍中は追加料金なしで全講座を受講でき、特商法表記に書かれている追加の費用は支払い手数料だけです。
無料講座では、アクリル画の描き方の講座や、作品を発信するための講座がメールで届き、そのあとにNext Art Collegeの案内があります。
無料で中身を見せてから、有料の教室を案内する。これは、英会話教室や学習塾の体験授業と同じ流れです。
「返金や問い合わせの対応が悪い」について
特商法表記には、退会の方法が具体的に書かれています。
次回の課金日の5日前までに、名前と登録メールアドレスを書いてメールを送ると、退会フォームが届き、それを送ると退会の手続きが終わる、という流れです。
授業はデジタルコンテンツなので、申し込み後の返品は受けていないことも、はっきり書かれています。
条件を先に書いてあるのですから、あとから「話が違う」となる余地は小さい作りです。
「特商法の表示が分かりにくい」について
公式サイトのページの下(フッター)に、「特定商取引法に基づく表記」へのリンクがあります。
中身は上で見たとおりです。
「代表の実績や経歴が確認できない」について
これは、正直に言って、調べればすぐにわかります。
代表の岡部遼太郎さんは、多摩美術大学の油画専攻を卒業した画家で、伊勢丹新宿本店などで個展を開いています。
東洋経済オンラインでは、2025年5月25日に「東京藝大に6回挑戦も不合格 それでも彼が浪人を肯定する訳」という記事で取り上げられています。
経歴が確認できない、どころか、経歴そのものが記事になっているわけです。
岡部遼太郎さん個人については、別の記事で詳しく調べてみます。

「所在地がレンタルオフィスらしい」について
これは上で触れたとおりです。謄本の本店所在地と、公式サイトと特商法表記の住所は一致しています。
口コミと評判そのものは?
株式会社ナレッジアーツの公式サイトには、受講生の声をまとめた「講座の評判・口コミ」のページがあります。

公式のページなので、当然、良い声が並んでいます。そこは割り引いて読む必要があります。
ただ、受講生の中には、三重県津市で画家と絵画教室の講師をしている伊藤亜優子さんのように、本名でインタビューに応じている方もいます。
名前も顔も出ている受講生の声と、名前も出典もない「口コミによると」の声。
どちらを重く見るかは、読む側の判断です。
株式会社ナレッジアーツの口コミ、評判と詐欺疑惑に対するまとめと感想
株式会社ナレッジアーツについて一通り調べたところ、いくつかの特徴を見いだせました。それに触れてから、この記事を締めくくりたいと思います。
「詐欺」と書く記事には、具体的な被害が一つも書かれていない
「ナレッジアーツ 詐欺」で出てくる記事を読んでも、いつ、誰が、いくら払って、どんな被害にあったのか、という具体的な話は一つも出てきません。
中には、記事の中で「確定的な詐欺の証拠とは言えません」と自分で書いていたものまでありました(この記事は、現在は削除されています)。
証拠がないと自分で言いながら、タイトルには「詐欺」と書く。これはなかなかのものです。
「詐欺」と書く記事の最後は、LINE登録への誘導
もう一つ共通しているのが、記事の最後です。
「相談はLINEから」「優良案件を紹介します」と、書き手のLINEへの登録に誘導して終わります。
つまり、「ナレッジアーツは危ない」と書いて不安にさせ、「本当に稼げる案件は私が紹介します」とLINEに呼び込む。
どちらが「無料で入口を作って別の商品に誘導している」のかは、言うまでもありません。
株式会社ナレッジアーツの口コミと評判を調べた感想
正直、「詐欺」という言葉は、ネットではあまりにも軽く使われすぎています。
株式会社ナレッジアーツの場合、謄本、公式サイト、特商法表記、国税庁の法人番号公表サイトがすべて一致し、料金も退会方法も公開されていて、代表の経歴はメディアで記事になっています。
これで「詐欺」なら、世の中の会社のほとんどが詐欺になってしまいます。
では、なぜ株式会社ナレッジアーツは「詐欺」と書かれてしまうのか。
僕は、無料講座からメールで案内する、という「売り方」に原因があると見ています。この売り方は、悪質な情報商材でもよく使われるため、「この売り方=詐欺」という先入観を持たれやすいのです。
でも、売り方が似ていることと、中身が詐欺であることは、まったく別の話です。
このあたりは長くなるので、また別の機会に。
口コミは、読む側がちゃんと読めば役に立ちます。ただ、「詐欺」という強い言葉があると、多くの人はそこで読むのをやめてしまいます。
株式会社ナレッジアーツの場合ですと、「絵画教室を名乗った詐欺」という印象だけが残りかねません。本当は、登記も料金も退会方法も全部公開している、普通の絵画教室の会社なのに。
ナレッジアーツの口コミと評判に関する参考記事
- 株式会社ナレッジアーツ(千代田区)の口コミと評判!謄本と特商法表記からNext Art Collegeの「詐欺」疑惑を徹底調査
- ナレッジアーツの口コミと評判が気になって調べてみたら、代表の岡部遼太郎さんに話を聞きたくなったのでインタビューした話
- ナレッジアーツの口コミと評判はなぜ「詐欺」になる?迷惑ブログと売り方への偏見を読み解いた所感
- 「ナレッジアーツは詐欺?」という副業裁判24時の記事を読んで気づいた、根拠のおかしさを全部指摘します
- ナレッジアーツの口コミと評判を調べた記事を読んだ感想|「詐欺」という言葉の軽さについて考えたこと
- 株式会社ナレッジアーツの口コミや評判に「詐欺」と出てくるけど大丈夫?謄本の記事とインタビューを読み比べてわかったこと
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- ナレッジアーツの評判・口コミを「詐欺?」と思って調べたら、印象がガラッと変わった話
- Next Art College(ナレッジアーツ)とは?特徴・評判・口コミ・料金・講師を徹底解説
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