「法人化のデメリット一覧|全てのケースで法人設立が有利とは限らない」。この記事では、法人化に関する隠れた弱点やデメリットを分かりやすく紹介します。毎年、黒字か赤字かに関わらず法人税を支払うことや、社会保険への参加の必要性、経費がかさんでしまう決算や法人税申告など、法人化には様々な課題が存在します。さらに、法人設立後はお出かけや飲食代などの経費が損金にできないため、お財布が軽くなることも考慮しなければなりません。一方で、節税対策や取引先への信用向上、責任の限定化など、光る利点も存在します。この記事を読めば、法人化のメリットとデメリットが分かります。
法人設立の隠れた弱点として考えられることがいくつかあります。まず、毎年、黒字か赤字かに関わらず法人税を払わなければならない点が挙げられます。また、法人化すると社会保険への参加が避けられず、その負担も増えることになります。さらに、決算や法人税申告にかかる経費が増え、様々な務めや手続きも増えることもデメリットとなります。お出かけや飲食代などの経費も全て損金にできない点も注意が必要です。その他、不動産等の譲渡資産がある場合には増税や手間も増える可能性がありますし、会社を辞める際にも税金を逃れることはできません。これらのデメリットを踏まえたうえで、法人化を検討することが重要です。
毎年、黒字か赤字かに関わらず法人税を払う
法人化することで得られるメリットも多いですが、デメリットも存在します。一つは、毎年法人税を支払わなければならないことです。赤字であっても黒字であっても、法人税は支払う必要があります。赤字の場合でも、法人住民税として年間7万円の支払いが求められることがあります。
社会保険への参加は避けられない
法人化すると、社会保険への参加が必要になります。個人事業主の場合と違い、法人は従業員を抱えていることが一般的です。そのため、従業員の方々に対して社会保険(健康保険や厚生年金など)への加入を義務付けなければなりません。社会保険への加入手続きや保険料の支払いには、手間や負担がかかることを覚えておきましょう。また、従業員の数や労働条件などによっては、さらに追加の労働保険への加入も必要になることがあります。法人化の際には、社会保険についてもしっかりと計画を立てておくことが大切です。
決算や法人税申告は経費がかさんでしまう
法人化すると、毎年の決算や法人税申告の手続きが必要となります。これには経費がかさんでしまうというデメリットがあります。決算書や申告書を作成するためには専門知識が必要であり、専門家の支援を受ける必要があります。また、書類の作成には時間や労力がかかるため、事務負担が増える可能性もあります。
お出かけや飲食代は全て損金には出来ない
法人化すると、お出かけや飲食代を全て損金にすることはできません。個人の場合は、接待費や交際費として計上することができますが、法人は厳しいルールがあります。法人の場合、接待費は会社業務に直接関連している場合に限り、一部を損金にすることができます。つまり、取引先との食事や接待が明確に仕事に必要な場合に限られます。ただし、一般的な食事代やお出かけには損金にすることはできませんので、注意が必要です。
法人を立ち上げるだけでお財布が軽くなる
法人を立ち上げることは、お財布を軽くする効果があります。具体的には、法人の経費である交際費や飲食代を全額損金にできるため、個人とは異なり、税金の負担を軽減することができます。例えば、取引先との会食や顧客との飲み会など、法人の経費として計上することで、利益を圧縮して税金を節約することができます。これにより、経費を抑えつつ事業を展開することができ、お財布に余裕を持つことができるのです。
個人と法人の収入は区別される
法人化すると、個人の収入と法人の収入は明確に区別されます。個人事業主の場合は、個人の収入と事業の収入が一緒になってしまいますが、法人化すると法人の収入と個人の収入が別々になります。この区別が重要な点であり、法人の収入は法人の口座に入金され、法人の経費や税金等が差し引かれた後に個人に分配されます。
様々な務めや手続きが法人向けに増える
法人化することで、企業の運営に多くの新たな務めや手続きが求められます。例えば、法人の場合、個人事業主と比べてより複雑な会計処理や決算作業が必要となります。また、年に一度の法人税申告も経費がかさみます。
さらに、法人化すると、お出かけや飲食などの費用を全て損金にすることはできません。個人事業主のように個人的な経費として計上することはできませんので、注意が必要です。
また、個人と法人の収入は区別され、それぞれに対して税金や社会保険料が異なるため、それぞれの財務管理が求められます。加えて、法人には様々な務めや手続きが増えるため、それらをこなすための時間と労力を割かなければなりません。
これらのデメリットを把握した上で、法人化を検討することが重要です。
不動産等の譲渡資産があると増税や手間が増える
法人化を考える上でのデメリットの一つに、不動産等の譲渡資産がある場合に増税や手間が増えるという点が挙げられます。法人化後に不動産を譲渡する場合、所得税や登記費用がかさんでしまいます。また、不動産の評価基準や売却価格の算定など、手続き自体も煩雑になる可能性があります。これにより、増税や手間の増加という形で法人化のデメリットとなります。
会社を辞める時でも税金は逃げられない
法人化することで節税効果が期待できる一方、会社を辞める際にも税金を逃れることはできません。法人は別個の存在とされるため、経営者が会社を辞めたとしても法人の責任は残ります。そのため、解散や清算を行う際には、所得税や法人税などの税金や手続きが必要となるのです。また、法人の財産を個人に移す場合にも、贈与税や相続税の対象となる可能性があるため、税金や手間を考慮して行動する必要があります。
法人化の光る利点
法人化には、様々なメリットがあります。それぞれのメリットを一つずつ紹介していきます。
節税対策をすることが出来る
法人化することで、節税対策が可能になります。法人化によって、特定の経費を法人として計上することができ、税金の負担を軽減することができます。具体的には、交際費や広告費など、個人の経費としては認められないものを法人の経費として計上することができるため、税金を節約することができます。
取引先への信用力が上がる
法人化することで、取引先からの信用を得やすくなります。法人化することで、信頼性や安定性が高まり、取引先からの信用を得やすくなるため、新規取引の獲得や業績向上につながるでしょう。
有限責任にできる
法人化することで、責任を限定することができます。個人事業主の場合、自己資金を使っての事業展開となるため、経営のリスクが大きくなります。しかし、法人化することで、個人財産と法人財産を分けることができ、リスクを限定することができます。
すばらしい節税対策が可能
法人化をする最大のメリットは、節税対策が可能ということです。法人として事業を運営することで、会社の収入から必要経費を差し引いた利益に対して法人税を納めることになります。しかし、法人税は個人の所得税よりも税率が低いことが多く、また、会社の経費として認められる範囲も個人に比べて広いため、節税効果が期待できます。
取引先に対して信用を得やすくなる
法人化することにより、個人事業主では得られなかった信用を得ることができます。法人の存在は、安定感や信頼性をアピールするための有効な手段となります。取引先は、法人としての信用を高く評価し、より積極的に取引を行ってくれることがあります。特に大企業や公的機関との取引では、法人としての信用が求められることが多いため、信用を得るためには法人化が必要不可欠です。
自身の責任は限定的に保つことができる
法人化による大きなメリットの1つは、個人と法人の責任が限定的に分かれるという点です。個人として経営している場合、自己資本が不足した場合には、個人の財産まで巻き込まれてしまいます。しかし、法人化することで、会社と個人の財産が分離されます。つまり、法人の債務が発生した場合でも、個人の財産は守られることになります。
法人化への道のりを考えよう
法人化を検討する際には、デメリットだけでなく、将来の展望やメリットもよく考える必要があります。法人化することで節税対策が可能となり、取引先からの信用が高まることもあります。また、責任を限定することもできるため、個人の資産を守る一石二鳥です。
法人化する際には、将来のビジョンや目標、また会社のお金をどのように運用するのかも考える必要があります。これから法人化を検討する方は、まずは専門家と相談して、メリットとデメリットをバランスよく考慮した上で判断することが重要です。
法人にある金はどう使うのか?
法人化することで会社には資金が蓄積されますが、その使い道は慎重に考える必要があります。一般的には、以下のような使い方があります。
まず、会社の成長や事業拡大のために資金を投じることが重要です。資金を使って新たな製品やサービスの開発に取り組んだり、営業力を強化したりすることで、収益の向上を目指すことができます。また、資金を使って施設や設備の改修や更新を行うことで、生産性の向上や効率化を図ることもできます。
また、法人にある資金は投資や運用に活かすこともできます。資金を不労所得にするため、株式や債券などの金融商品への投資や、不動産の購入・運用などを検討することも一つの手段です。ただし、投資はリスクも伴うため、専門知識を持ったアドバイザーに相談することが重要です。
さらに、法人にある資金は将来の事業継続や災害時のリスク対策に活用することも大切です。予備資金を確保しておくことで、予期せぬ出費や困難な経営状況にも柔軟に対応することができます。また、災害保険や企業年金などを活用することで、社員や経営者の保険ニーズも考えることができます。
以上のように、法人にある資金は成長や事業拡大のための投資、資産運用、リスク対策など様々な用途に使うことができます。どのように資金を活用するかは、経営者や役員の判断によるものですが、将来の長期的なビジョンや戦略に基づいて慎重に使うことが重要です。
悩んだら専門家に助けを求めるすすめ
法人化に関するデメリットやメリットを把握することは重要ですが、その判断をする際には専門家のアドバイスも求めることをおすすめします。税理士や会計士などの専門家は、法人化に関する知識や経験を持っています。彼らはあなたの具体的な状況や目標を考慮に入れ、最適なアドバイスをしてくれます。
法人化のデメリットには、毎年の法人税の支払いや社会保険への参加義務、経費の増加などがあります。一方、メリットとしては節税対策や信用力向上、責任の限定などが挙げられます。
自身で法人化についてのメリットやデメリットを考えることも重要ですが、専門家の意見やアドバイスを聞くことで、より客観的に判断できるでしょう。自分自身の意見だけでなく、専門家の意見も参考にすることで、成功する可能性が高まることもあります。
法人化を検討している場合は、ぜひ専門家に相談してみてください。専門家の知識や経験を活かすことで、より良い結果を得ることができるでしょう。
この記事のまとめ
いかがでしたか?この記事では法人化のデメリットと光る利点について紹介しました。法人設立は全てのケースで有利とは限らず、法人税の支払いや社会保険への参加などのデメリットがあります。また、法人化による節税対策や取引先からの信用獲得、自身の責任の限定などの利点もあります。法人化の道のりを考える際には、どのように資金を使うかや、専門家からの助けを求めることが重要です。