副業があると確定申告は必須？各ケースに応じた手続きの説明
副業と確定申告の関係性から、副収入が確定申告の対象になるケース、そして確定申告をしなくても良い副収入のケースまで、詳しく解説しています。
さらに、確定申告の方式や手順についても明確に説明していますので、確定申告に関する知識や手続きについて不安を感じている方には特に役立つ内容となっています。
この記事を読めば、副業によって確定申告が必要なケースや免除されるケースが分かり、具体的な手続き方法も理解できるでしょう。
副業と確定申告の関係性
副業を行っている方にとって、確定申告は必要な手続きとなります。しかし、必ずしもすべてのケースで確定申告が必要なわけではありません。具体的なケースによって異なるので、自分の状況に合わせて適切な手続きを行う必要があります。
まず、年間の副収入が20万円を超える場合は、確定申告が必要になります。この場合、収入金額が一定額を超えるため、税金の支払い義務が発生するためです。
さらに、複数の給与収入がある場合にも注意が必要です。給与所得が複数ある場合、合算して年間20万円を超える場合は、確定申告が必要となります。
一方で、特定のケースでは確定申告が不要なこともあります。例えば、中古品の売買から得た副収入は、原則として確定申告の対象外です。また、源泉徴収があり、投資口座を使用した場合やNISA口座で行った投資収入も、確定申告が不要となる場合があります。
確定申告の方式には青色申告と白色申告があります。青色申告は個人事業主や副業で収入がある方が利用できる制度であり、所得税額の減額を図ることができます。一方、白色申告は所得税と地方税の確定申告で、一定の条件を満たせば簡略化された手続きを行うことができます。
具体的な確定申告の進行過程は以下の通りです。STEP1では普段から経理を行い、収入や支出を記録します。STEP2では必要な書類を準備し、収入や経費の証拠書類を整理します。STEP3では税務署で提供される申告書に必要事項を記入します。最後に、STEP4では税務署に申告書を提出します。
副業を行う際には、確定申告に関する知識を持つことが重要です。副収入の金額や種類、また給与所得の有無など、自分の状況に応じた適切な手続きを行いましょう。
副収入が確定申告の対象になるケース
副業をする際に注意しなければならないのが、副収入が確定申告の対象となるケースです。具体的には、年間の総収入が20万円を超える場合や、複数の給与収入があり年間総額が20万円を超える場合には、確定申告が必要となります。例えば、週に数時間のパートタイムの仕事で年間15万円を稼いでいる場合、もうひとつ別の副業で年間10万円を稼いでいる場合、合計すると25万円の総収入となりますので、確定申告が必要となるケースです。
年間総収入が20万円を超える場合の手続き
副業を始めると、年間総収入が20万円を超えることもありますよね。この場合、確定申告が必要になります。
確定申告の手続きは、最寄りの税務署で行うことができます。まずは、確定申告用紙を入手しましょう。この用紙には必要な情報を記入していきます。
年間収入や経費、所得控除などの詳細な情報を正確に記入することが重要です。また、副業に関連する項目を特に注意して記入しましょう。
手続きの際には、必要な書類も準備する必要があります。給与明細や領収書、預金通帳などが必要な場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
手続きが終わったら、所定の期限までに提出しなければなりません。期限を守ることはとても重要ですので、忘れないように気を付けましょう。
また、手続き後には、税務署からの返信を待つ必要があります。返信が届くまで納税の義務がありませんが、その後の手続きなどについても確認することが大切です。
複数の給与収入がある場合の対応
複数の給与収入がある場合でも、確定申告の対象となるのは年間の総収入が20万円を超える場合です。例えば、会社Aと会社Bから給与を受け取っている場合、それぞれの給与額を合算した金額が20万円を超える場合は確定申告が必要です。また、複数の給与を受け取っている場合でも、給与所得の源泉徴収票が発行されている場合は、給与所得控除を受けることができます。したがって、給与所得控除を受けるためには、各会社から発行された源泉徴収票を受け取り、確定申告書に記入する必要があります。
確定申告をしなくても良い副収入のケース
副業を始めると、不安になるのが確定申告の手続きです。しかし、すべての副収入が確定申告の対象になるわけではありません。以下のケースでは、確定申告をする必要はありません。
まず、中古品の売買から得た副収入は、確定申告の対象ではありません。たとえば、クローゼットに眠っていた服や使わなくなった家電をネットオークションで売って収入を得た場合、その金額が年間で20万円を超えていても、確定申告の手続きは必要ありません。
また、投資を源泉徴収ありの特定口座で行った場合も、確定申告は必要ありません。この場合、受け取った配当や利益は税金が源泉徴収されているため、そのまま収入として計算されています。
さらに、投資をNISAやつみたてNISAの枠内で行った場合も、確定申告は不要です。これらの特定の投資口座では、一定の条件を満たす投資に対しては、利益が非課税となるため、確定申告は不要です。
以上が確定申告をしなくても良い副収入の代表的なケースです。ただし、ケースバイケースで判断する必要がありますので、詳細なガイドラインを確認することをおすすめします。
中古品の売買から得た副収入について考えてみましょう。中古品を販売することで、追加の収入を得ることができます。しかし、この副収入によって確定申告をしなければならない場合としなくても良い場合があります。
まず、中古品の売買によって得た副収入が年間で20万円を超える場合、確定申告が必要になります。この場合、所得税と住民税の支払いが必要となります。
一方で、もし中古品の売買から得た副収入が年間で20万円を超えない場合は、確定申告をする必要はありません。ただし、この副収入が主な収入源ではないことが前提です。
中古品の売買から得た副収入に関しては、源泉徴収が行われている場合もあります。この場合、確定申告が不要となります。
したがって、中古品の売買から得た副収入によって確定申告をする必要があるかどうかは、年間の売上額や源泉徴収の有無によって異なります。自分のケースに合わせて、適切な手続きを行いましょう。
源泉徴収ありの投資口座を使用した場合
源泉徴収ありの投資口座を使用して副収入を得た場合、確定申告の必要はありません。投資口座においては、受け取った配当や利子、売却益などの所得が源泉徴収として税金が差し引かれた状態で支払われます。つまり、すでに税金が支払われているため、個人での追加の申告義務はありません。ただし、源泉徴収の税金を上回るような収入がある場合、例えば他の副業による所得がある場合には、確定申告が必要になります。また、源泉徴収ありの投資口座を使用して得た所得がある場合でも、その他の所得が20万円を超える場合には確定申告が必要となります。
投資をNISA口座で行った場合
投資をNISA（少額投資非課税制度）口座で行った場合、確定申告は必要ありません。NISA口座は、株式や投資信託などの長期投資を行うための口座で、その収益は非課税となります。したがって、NISA口座で得た副収入は、年間総収入が20万円を超えていなくても、確定申告の対象にはなりません。
確定申告の方式とその明暗点
確定申告をする際には、青色申告と白色申告の2つの方式があります。青色申告は、個人事業主や副業で独立した事業を行っている方が利用する方法であり、経費を税務上で控除することができます。一方、白色申告は、所得税や住民税などを源泉徴収しない収入の場合に選択される方法であり、源泉徴収の対象ではない給与や副業の報酬などが該当します。青色申告のメリットは、経費の控除ができることや税金の納付が翌年の申告分になることなどです。一方で、申告書の作成や税務署への提出など、手続きが煩雑になることがあります。白色申告のメリットは、源泉徴収されずに給与や副業の報酬を受け取れることや手続きが簡単であることです。しかし、経費の控除や税金の納付が月々の収入から行われるため、計画的な収支管理が求められます。各方式には明暗がありますので、自身の収入状況や経費、手続きの煩雑さを考慮して、適切な方式を選択することが大切です。
青色申告の特徴
青色申告とは、個人事業主が利用できる確定申告の方式のことです。この方式を利用すると、所得税の計算方法が簡略化され、税金の節約が期待できます。
具体的な特徴としては、「簡単」と「お得」が挙げられます。まず、「簡単」な点ですが、青色申告では売上高、経費、所得金額などの計算が簡単にできます。また、確定申告書の提出頻度が年1回であるため、手続きの回数も少ないです。
次に「お得」な点ですが、青色申告では控除額が充実しています。具体的には、事業所得控除、経費控除、特別控除などがあり、これらの控除によって所得税の納税額が軽減されます。
ただし、青色申告を利用するためには所得金額や経費の計上方法に一定の条件があります。具体的な条件や申告の手続きについては、税務署のホームページや専門家のアドバイスを参考にしてください。
白色申告の特徴
白色申告は、所得税法によって定められた確定申告の一種です。白色申告を行う場合、副業で得た所得の総額が年間20万円を超えないことが条件となります。また、この申告では、給与以外の所得（例えば、不動産所得や株式の売買益など）を申告することも可能です。白色申告の特徴は、申告書に必要事項を記入するだけで、確定申告が完了する点です。さらに、申告書の確定申告・青色申告特別控除欄に特別控除を受ける権利がある場合は、その欄にも記入することができます。申告書の作成方法や提出期限については、税務署のWebサイトや電話相談窓口で確認することができます。
手順別：確定申告の進行過程
副業を行った場合、確定申告が必要となることがあります。確定申告の手続きは以下のように進みます。
STEP1．日常的な経理を行う
副業においても日常的な経理が重要です。収入や支出の記録、領収書の保管などをきちんと管理しましょう。
STEP2．申告に必要な書類を準備する
確定申告には様々な書類が必要です。副業の収入に関する書類や経費に関する書類などを準備しておきましょう。
STEP3．申告書を記入する
申告書には収入や経費などの情報を記入します。正確な情報を記入することが重要ですので、慎重に行いましょう。
STEP4．税務署へ申告を行う
申告書の記入が終わったら、税務署へ申告を行います。提出期限に注意し、必要な手続きを完了させるようにしましょう。
副業を行うと確定申告が必要となる場合もありますが、手順をしっかりと把握しておくことでスムーズに申告ができるでしょう。
STEP1. 日常的な経理を行う
副業を始める前に、まずは日常的な経理を行うことが重要です。具体的には、収入や支出の記録をつけておくことが必要です。収入は副業の報酬やその他の収入など、全ての収入を記録しておくようにしましょう。支出は、副業に関連する費用や必要経費なども含め、すべての支出をしっかりと記録してください。
また、収入や支出の記録は紙でも構いませんが、スプレッドシートや簡単な経理ソフトを利用することで、より簡単に管理することができます。月ごとやカテゴリーごとに集計することで、副業の収入や経費の状況を把握しやすくなります。
日常的な経理を行うことで、確定申告の際に必要な情報を正確に把握することができ、スムーズに手続きを進めることができます。しっかりと経理を行い、副業の収入や支出を管理してください。
STEP2．申告に必要な書類を準備する
確定申告を行うためには、いくつかの書類が必要です。主な書類としては、所得の種類に応じた申告用紙や必要な領収書などがあります。例えば、給与所得の申告をする場合には、源泉徴収票や給与支払報告書などが必要となります。また、副業での収入を申告する際には、収入証明書や税金関係の書類が必要になることもあります。これらの書類は事前に集めておくことで、申告手続きがスムーズに進むだけでなく、後々トラブルになる可能性も低くなります。したがって、確定申告をする際には、必要な書類を事前に準備しておくことが重要です。
STEP3．申告書を記入する
副業による収入がある場合、確定申告をするためには申告書の記入が必要です。申告書には、所得税や住民税に関する項目があります。具体的な書き方や必要な情報については、税務署のホームページや専門書などを参考にすると良いでしょう。注意点としては、申告書の記入漏れや誤りがないように確認することです。正確な情報を提出することは、税務署とのトラブルを避けるためにも重要です。また、複雑な内容や表記に戸惑う場合は、税理士や税務署に相談することもおすすめです。
STEP4．税務署へ申告を行う
副業による収入がある場合、確定申告を行わなければなりません。確定申告には、所得税と住民税の申告が含まれます。所得税の申告書は、確定申告書（パートナーフォーム／単一事業所得）を使用し、住民税の申告書は、住民税決定通知書に記載された申告書（申告コードあり）を使用します。申告書の記入には、所得税に関する項目や住民税に関する項目に必要な情報を入力する必要があります。申告書の提出は、確定申告期間内に税務署に行います。提出後、税務署で確定申告書が受理されると、確定申告手続きは完了します。
「副業を行う＝確定申告が必要」の認識をもつ
多くの人々が副業を始める際に抱くのは、「副業を行うと必ず確定申告をしなければならない」というイメージです。しかし、実際には全ての副業が確定申告の対象ではありません。例えば、年間収入が20万円を超える場合、または複数の給与収入がある場合には確定申告が必要となりますが、中古品の売買から得た副収入や源泉徴収ありの特定口座で行った投資、NISA口座内での投資などは確定申告をしなくても良い場合もあります。
したがって、副業を行う際には必ずしも確定申告が必要ではなく、ケースによって異なります。自分の副業の収入に応じて確定申告の必要性を判断し、正しい手続きを行うことが重要です。
この記事のまとめ
いかがでしたか？この記事では副業と確定申告の関係性について説明しました。副収入が確定申告の対象になるケースや確定申告をしなくても良い副収入のケースについても紹介しました。また、確定申告の方式や手順別の進行過程についても詳しく説明しました。最後に、「副業を行う＝確定申告が必要」の認識についても触れました。
